ジョジョは大好きだった漫画で、
作品の感性がどんどん変化していったのが不思議だった
子供の頃、いつもわくわくして読んでいた
もちろん世の中の映画も漫画も時代の影響を受けて表現されてる
でもこの漫画は一人の作者の感性が時代と共にどんどん変化していってるのが印象的だった
一部
このシリーズの一部の主人公のジョナサン・ジョースターは
北斗の拳のケンシロウみたいで二枚目で強い
二部になると主人公のジョセフジョースターはシティーハンターの冴羽獠みたいにコミカルになっていく
二枚目と三枚目の面をもっている、距離感が読者と近くなってくる
二部
三部になると人間よりもストーリー先行で
ストーリーの中に人が配置されてる感じになっていって、
登場人物がチェスのコマみたいになっていった
三部以降はどの登場人物の性格も輪郭がはっきりしててキャラ立ちしてくるんだけど、
人間が記号みたいになり背景が薄くなってくる
キャラクターの心の機微があんまり描かれなくなっていった
でも子供の頃、三部が一番面白かった
新キャラが出てくるのがいつも待ち遠しかった
この頃からもう、ひとつを掘り下げていくというより
アイデア勝負っていう時代に向かっていってる感じがした
だから面白かったけど、何度も読み返せるような作品にはなりにくく感じた
三部
四部までは本当に楽しかったけども、五部以降はバーチャルリアリティーというか観念的な世界へどんどんエスカレートしていって自分にはだんだん馴染めなくなっていった
もちろん漫画というジャンル自体がバーチャルなんだけど、五部から登場人物の体温をどんどん感じなくなっていったからだ
これは作者の荒木さんのセンスというより時代の要請なんじゃないかな、と思っています
正直、社会がこういうバーチャルな方向性になっていくのって好きじゃないけど、
時代がこうだからしょうがない、他勢に無勢だ
前回「仁義なき戦い」の話をしたとき、漫画のジョジョも合わせて思い出したから話してみました